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大浪池の話
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鹿児島市内から30分くらい車を走らせたところに湯之元温泉があります。
温泉の真ん中に大里川という川が流れているのですが、
その上流に皆田地区という静かな地区がこの話の出発点です。
昔この地に大庭家という分限者がありました。
大庭家には子供がなく、夫婦で子供がほしいなあといつも言っていました。
ある日、旦那さんが山に仕事にいくと、どこからか赤ん坊の泣き声がしてきます。
あたりを見渡すと杉の木の根本に女の赤ん坊がいるではありませんか?
「こん児は神様からの授かれもんじゃ 大切にせな」
といい、育てることにしました。
女の児は「お浪」と名づけられ大切に育てられました。
お浪が7歳になった秋のことでした。
いつも元気なお浪が元気なくしょげています。
何日も動こうとしませんし、話もしてくれません。
「お浪、どげんしたんか??」
「とうちゃんとかーちゃんに話してくれんか?」
お浪はいいました。
「霧島ん池に連れていってもらえどんかい?」
「霧島ん池?そげんとこへ行ってなよすっとね」
お浪はただ「霧島ん池に連れていってくいやんせ?」
と、言うばかりです。
夫婦はお浪があまりにも熱心にいうので霧島に連れていくことにしました。
霧島の池につきました。
しばらくすると、突然お浪が池の中に飛び込みました。
「お浪、どげんしたんか?戻ってこんか...」
夫婦は大声で叫びました。
「もう一度姿をみせてくれ..」あたりは二人の声が響くばかりです。
しばらくすると、大きな水音がして大蛇が現れました。
そして 夫婦のほうをみるとまた池に帰っていきました。
それ以来この池はお浪の池と呼ばれるようになり、
いつのころからか?「大浪の池」とよばれるようになりました。
おしまい
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