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十五夜の盗みだご |
9月になると十五夜がくるのが楽しみでした。 鹿児島では十五夜になると、子供たちが近所を回りお供え物をもらってくる風習があります。今日はその十五夜についての昔話です。 昔あるところに、分限者(ぶげんしゃ)がいました。その隣には、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 十五夜の晩のことです。おばあさんがおじいさんに言いました。 「じぃさん、今日は十五夜やっちゅうのに、供え物のだごをあぐっこんもでけん。困ったもんじゃ。」 「そやなぁ。今年ゃ働っがわぃかったで、すまんこっちゃ。」 「じゃっどん。あげな、いかんど。」 おじいさんは仕方なく隣りの分限者の家に行きました。おじいさんは分限者にこう言いました。 「だごをあげないかんで、粉をちとくぃやんせ。」分限者は言いました。 「なんちな、粉をくれっちな?!貧乏のくせおって。よぅ言えたもんじゃ。」と言って追い出されました。 じいさんががっかりして家に帰りばあさんに話すと、ばあさんは怒り出しじいさんに言いました。 「じぃさん。分限者の畑に行って豆をずんばい取ってきゃんせ。」 じいさんは、ばあさんの言う通り隣りの分限者の畑に行って豆をこっそり取ってきました。ばあさんはその豆を臼(うす)でひいて団子を作り、お供えしました。 2人は「よか晩になった。よか月じゃ。」と言って大笑いをしました。 何日かすると分限者が大根の種をもらいにやってきました。ばあさんは心の中で思いました。 −「分限者じゃんのにおぃたち貧乏人から種をもらっち、なんちゅっこっじゃろかい。」− でも困ったときはお互い様、種を分けてあげました。 「分限者どん。一つ謝らないかん事があっどん。ゆるしてくぃやんせ。」 「なぃごんな、ゆてみゃんせ」 「十五夜の晩、おまんさぁげぇの畑の豆を盗みもした」と、おばあさんは正直に言いました。 分限者は心の広い人だったので罪をとがめませんでした。それ以来、十五夜の晩供え物を盗んでも罪は問われないようになったとさ。おしまい。
*分限者・・・金持ち |
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