

日暮丘(国道3号線から)
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川内市小倉町川底に巣山おかめ踊りという舞踊が受け継がれています。今では伝承者も少なく
時々しか踊られていませんが、主人公阿亀(おかめ)さんを歌った歌詞でユーモラスな歌詞です。
今日はその阿亀さんにまつわるお話です。巣山という地名は今はありませんが、日暮丘とういう
川内駅から南に5分くらいの場所のことだそうです。
昔々、巣山に阿亀という女がいました。阿亀はおたふくに似た顔で、鼻は低く、目は細く、決して美人とはいえませんでしたが、
愛嬌があり村の人気ものでした。この地で阿亀をしらないものはおらず、阿亀は焼酎が大好きで、川内川で取れるつがね(カニ)が大好物で、宴会をひらくと男達はみんなやってきてどんちゃん騒ぎをやっていました。
そんな噂をきいた島津のお殿様が一度阿亀をみてみたいと言われ川内川に釣りにこられた時
宴に呼びました。宴に呼ばれた阿亀でしたが、いつものようにどんちゃん騒ぎ、殿様はたいそうお喜びになりたくさんの褒美を
与えました。それから殿様は川内に来られるたびにお呼びになり毎回褒美をとらせました。
それを見ていた村人は羨ましく思いいろいろな噂をしました。
「おかめはキツネが化けそこなった女やって」「今日(きょ)川内川(せんでがわ)が汚れとっとはおかめが川で顔をあるたからじゃって」
と、いろいろな噂をしました。 しかし、阿亀さんはぜんぜん気にする様子がなく今日もおもしろおかしく暮らしたとさ。
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