日当山の侏儒どん

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日当山の侏儒どん

溝辺の鹿児島空港から車で10分くらいはしらせた所に日当山温泉（ひなたやまおんせん）がある今日はそこで地頭として活躍した一人の男の話です。
本名を徳田太兵衛といい日当山の侏儒（ひなたやましゅじゅ）どんと呼ばれていました。
この侏儒どんは、どんなことがあつても、腹を立てた顔をみせたことがなく、日ごろから若者たちにも「腹をたてちゃいけないよ。」といっていました。
ある日のこと島津の殿様が、いたずらして侏儒どんを怒らせてやろうと家来たちと作戦をたてました。
「こそこそ．．．こそこそ．．こそこそ」
家来が侏儒どんのところに使いにきました。
「侏儒どん。あした殿様が宴をもたれるそうだから参加してくれんどかい」
「わかった。参加しもんで」
当日、宴もたけなわになり、家来たちは飲めや歌えのどんちゃんさわぎ。
一人の家来が侏儒どんに近寄り、突然思い切り侏儒どんの顔をなぐりました。
侏儒どんは小柄な人だったので、殴られた表紙にふっとびました。
まわりは静まり返り、侏儒どんが怒るぞ！怒るぞ！と思いみんなが侏儒どんを見つめました
侏儒どんはあわてず、ゆっくり起き上がり殿様に向かい言いました。
「お殿様、うだもしたん。びっくいしもした。今日はただん飲んかたやっておもうちょったが違ごわした。
よう考えてみましたら、今日はビンタん打ちまわしになっちょいましたな。よおわかりもした、そいなら、あたいもそれにあまえまして、ごめんなして」
突然言うが早いかとなりにいた家来の顔を思い切りたたきました。
「いたか．．．．．なよすっとな」殴られた家来はいたそうに顔をおさえながら怒りました。侏儒どんはそれを見向きもしないで、一言いいました。
「こいくらいでよかですか。ちんかもんが太かもんの顔をなぐるのは気持っがよかもんでごわすな」といい終わると「がははははあ．．．．は」と大声で笑いました。
「じゃあ、また飲み直すっが．．．」といいなぐった侍の杯に焼酎をつぎました
あまりのことに殿様をはじめご家来衆思わず大声で笑ってしまいました。
笑うかどには福来る．．．今日のお話はおしまい。侏儒どんにまつわるお話はいくつも残っています。またの機会に．．．

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