戸田観音 |
川内市と樋脇町の境に樋脇川という川が流れている。樋脇川は川内川の支流で川の出口あたりに戸田観音という小さな御堂がある。これはそこに祭られている河童の伝説である。川内地方では河童のことをガラッパと呼び昔から水神のお使いとされてきたのだが...。
さて物語のはじまりはというと、この戸田観音のガラッパくんいたずらが大好き。時には度をこして人の命まで奪っていた。このあたりは昔は宮之城の城主渋谷のお殿様の支配地でそこには綺麗なお姫様がいらっしゃった。ある日このお姫様と7名のお供が川内川で舟遊びを楽しんでいると誤って落ちたのか、お姫様が川に落ちてしまった。これは大変、助けなくてはと....お供の侍女らが必死に助けようとした...しかしお姫様は助けようとすればするほど川の中に沈んでいき
不思議なことにどこを探しても見つからなかった。責任を感じた彼女たちも川の中に.....
嘆き悲しんだ殿様はその霊を慰めるために戸田の地に御堂を建てた。殿様はガラッパが大事な娘や侍女の命を奪ったのはガラッパだ!そうだガラッパを懲らしめなくては思い立ちこの御堂のなかにもがき苦しむガラッパの木像を作らせ、水神の文字を彫った石碑を建てた。この石碑の文字が消えるまで、観音様このガラッパに罰を与えくださいと毎日祈った。それを聞いたガラッパくんこの日以来この文字を消そうと毎日一生懸命やって来る。でも石碑を消そうと努力すればするほど石碑は綺麗に....これ以来石碑を消すことに一生懸命でガラッパくんのいたずらはやんだとさ...今でもガラッパくんは毎日石碑の文字を消しにこの御堂にきているそうだ...おしまい |