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鳥追船(とりおいぶね) |
鳥追いの杜 |
JR川内駅をおりて2分くらい歩いたところに、鳥追町という地名がある。このお話は室町時代
このあたりで本当にあったお話。日暮丘というところに日暮長左衛門という地主さんが住んでおったそうな
、柳御前という奥様と一緒に仲良く暮らしており二人にはキタという娘と花若丸という息子がおった。
この長左衛門に家来の中に横淵左近尉(よこぶちさこんじょう)というものがおった。この男、長左衛門が
大嫌いで今にこの屋敷を乗っ取ってやると思っていた。左近尉は他の家来を仲間に入れ奥様の柳御前の悪口を色々言って屋敷から追い出そうと計画した。この噂を聞いた長左衛門は初めのうちは気にすることもなく
平然としておったが、何度も聞かされているうちにほんとかな?と思いはじめ、柳御前は子供たちを残し里に帰してしまわれた。 このころ、この周辺では毎年稲の収穫時期になると、悪さをするすずめを見張るため、鳥追い船という船を川内川に浮かべ鐘や太鼓を鳴らしながら追うという風習があった。この仕事は朝から夕方までの重労働。 左近尉とおくまは話し合い2人をこの仕事をさせることになった。ある日のこと疲れた2人は鳥追船に乗り お母様のことを考えていた。どうしても逢いたい。船を漕いで向こう岸のお母様の実家に行こうと思い立ち 夢中でおかあさんのもとへ...「おか〜〜〜〜〜〜〜さんおかあさ〜〜〜〜〜ん」ようやくたどり着いた 二人は短い時間であったがおかあさんに甘えることができた。 このことを知った継母のおくまは、怒り、二人を家にはいれなかった。夜露にぬれながら二人は思った あの星の下に母さんはいるのね。あの星はおかあさん星ね。おかあさんがおいで、おいでとよんでるよ。 おかあさんのとこに行こう。二人は手と手をつないで、魔の淵と呼ばれる川の淵に飛び込んだ。 翌朝になって要之助と与次兵衛という家来が、心配して探し回った。二人の遺体は手と手をにぎり あって川に浮かんでいるのを発見した。急いで長左衛門がかけつけ二人の前で跪き「おとうさんがわるかった」泣きじゃくった。やがて夢から覚めたように、「あの二人を成敗しなくては...このままでは...」と屋敷に帰ると2人の首をはねようとした。そこへ話を聞きつけた柳御前がかけつけ、二人を殺してもなにも解決されません命だけは助けてあげましょうと助言した。こうして二人は命は助けられたが 何時の間にかこの地からは姿を見ることはなかった。このあと柳御前と長左衛門は仲良くくらしたとさ。 そののちキタと花若丸の墓は鳥追いの森とよばれるようになったとさ。 |
鳥追の杜の地図 |
◆鳥追い杜 【アクセス】JR川内駅下車徒歩3分 川内駅から歩いて3分のところに、昼でも薄暗い杜があります。この杜には悲しい伝説が残っており、のらちゃんの昔話の中に詳しくは掲載してありますが、室町時代の金剛弥五郎作といわれる謡曲にも登場する場所です。 ◆日暮丘 【アクセス】JR川内駅下車徒歩5分 川内の昔話の舞台によくなる場所です。頂上には神社もあります。 ◆母合橋 【アクセス】くるくるバス川内市役所下車徒歩3分 |
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